作業所に行きたくない。
お風呂に入りたくない。
歯磨きもしたくない。
お薬も飲みたくない。
身体も洗いたくない。
着替えたくない。
掃除もして欲しくない。
窓も開けてほしくない。
エアコンもかけてほしくない。
他にも〇〇も〇〇もしたくない。何もしたくない。
でも、洗濯は私の思う通り干してほしい。
食事は〇〇して欲しい。
塗り薬は塗ってほしい。
呼んだらトイレに来て欲しい。
この時は〇〇して欲しい。あれは〇〇、これは〇〇して欲しい。
このようなお話を訴えてくる利用者さんがたくさんいました。
果たしてどのように受け答えしたでしょうか?
話は変わりますが、僕のところのホームでは基本オーダーメイド型の障がい者グループホームだと考えています。
極力寄り添います。例えば仕事に行きたくないならホームでいててもいいですし、何ならお昼ご飯も支援員が手作りします。
調子が悪いのなら病院も連れて行きますし、お薬も常備薬など提供します。
もちろん初めての問い合わせや相談支援専門員さんからの相談、見学と同時に家族さん、当事者さんとの聞き取り(アセスメント)などをします。
その後、マッチングすれば体験宿泊や作業所の見学の付き添い又は今契約されている作業所さんとの打ち合わせ、各関係機関さんとの打ち合わせなどしていきます。
当事者さんとしっかりとお話しやミナオスではルールがあって〇〇といった困った事があればお互い解決していきましょう。
というような取り決めやできない事、できる事など詰めてお話ししていき、互いに了承しつつ生活の質を高めていく為の支援方法なども決めていきます。
でも、全部できると言っていたことをできない日もあったりします。
その時の為に、当事者さんの性格で落ち着けるものや好きな物、事を聞き取りの中にしっかりと確認していきます。
お話が好きな方や嫌いな方、幼い時のつらい出来事を思い出すと立ちすくんでしまう方、あれもこれもできない方もすべて今しないといけないという事はないと伝えていきます。
出来ないなら今しなくていいよ。
出来る時に知らせてね。もしくは手伝ってほしいのなら伝えてね。
と言って利用者さんの思いに沿っていきたいと話します。
でも、できない事はできません。はっきりと僕たちには「できないんだよ。」と静かに伝えます。
例えば夏の暑い日にエアコンがなければ熱中症、ご飯を食べなければ栄養失調、お風呂に入らないなどを続ければ感染症などあります。
果たして例えて言うなら自身の身を切るような事などそこまでの強い意志を継続できるでしょうか?
僕たちには無理でも彼女たちにはそれができるんです。過去に何名も居ました。彼女たちはそこではないんです。
でもたまにして欲しいという事は取り立てて大きなことではなく些細な事がほとんどです。
思わず「そこですか?こっちの方が気にならないですか!」と喉元まで来たこともあります。
でもそこが特性と言われる部分なんでしょうね。
結局何名もいましたが、できる限りの対応をしてもその後他の事業所に移られました。多分彼女たちには解決すべきこと、解決できる人は決まっていて僕たちではないのでしょう。
誰が原因とか支援者が寄り添っていないとかではなく、その利用者さんの経験の中に僕たち支援員の言葉がたくさん積み上げていってできれば将来の礎になってほしいと考えています。