なぜグループホームにはルールがあるの?
このような質問を見学や体験に来られた方の中には声に出して質問される方もいますが、ほとんどの方は目で訴えてきます。
なかにはグループホームに居ながらミナオスに見学に来られる方もいます。
ルールや約束事が嫌いなのでしょうね。その気持ち、わかりますよ。
そこで少しルールについてお話ししたいと思います。
- あなたは人に迷惑を掛けられたことはありますか?
- あなたはあなたが嫌な事をされたときにその人の事を嫌いになりませんか?
- あなたが他人に迷惑をかけたときにはその人に「迷惑だ!」と言われたいですか?
- あなたはあなただけですべてできると思いますか?
これらの事は大事な事なのでルールについて聞かれた時にはその方の特性を考えてタイミングを見計らって聞かせてもらっています。
そしてこのようにお話しさせてもらっています。
障がい者グループホームというのは正式に言うと『共同生活援助』と言います。
つまり、他人さんと一緒にひとつ屋根の下で暮らしていきます。
決して利用者さんと仲良くする必要はありません。
でも、人と人が一緒に暮らすには相手の事を認めなくてはいけません。
もちろん、お互いにです。
みなさん自分自身の目的をかなえるためにミナオスで頑張ろうとされている方々です。
そういった方々も含めた皆さんの生活をしやすくするためにあるのがルールになります。
とお話しさせてもらってから『判断するのはあなたです。出来れば一緒にミナオスで目標の為に暮らしませんか?』
と声掛けします。
当然、一人ひとりグループホームで暮らしたい理由も暮らさないといけない理由も皆さんそれぞれです。
見学などで来られた方の中には、誰にも干渉されたくない方や逆に干渉してほしい方、自由に思い通り暮らしたい方、ましてや自身に障害や特性などなく、自身の考えや想いがかなえられるのが当然でホーム運営体が旧態依然の閉鎖的な環境と思われている方もいるでしょうね。
それはそう思うのが当たり前とミナオスの職員一同、同意していますよ。
でも一つお話しさせていただくと、すべての方がそのように思われているのではなく、社会で一人、暮らしていく事をゆっくりとでもしっかりと身に着けていきたいと願う方がおられます。
そういった方も含めてミナオスでなら暮らしていけると思っていただける様にルールを設けています。
ミナオスで暮らして目標をかなえる覚悟を決めた方がいるからです。
障がい者グループホームを選択しないといけない理由は何だったのでしょうか?
親御さんや親族の方が居なくなったからでしょうか?それとも親御さんが行きなさいと言ったからでしょうか?
もしくは入院していた病院で進められたからでしょうか?
どちらにしても理由は色んな事が考えられますよね。
でもミナオスには入居するためすごい覚悟をしないといけないと思い詰めて来られた方がいます。
逆に言われるがまま来なければいけない理由を持った方もおられます。
どの様なパターンでもわれわれ職員には想像もつかない覚悟でミナオスに来られた利用者さんを私たち職員はとても素晴らしいと思っています。
何をもって普通といえるのかわかりませんが、親御さんの元すくすくと育って言った方も道を踏み外して間違った道へと進む方もおられます。
でも精神疾患やもともとの特性を持った方の中でもその素晴らしい決断をされた利用者さんの為にわれわれには何ができるのか?と自問自答をしていった結果いま現在も利用者さんは毎日を目標に向かって頑張って過ごしておられます。
そのミナオスの支援の中でも『ホームでのルール』の持つ役割には大きなものがあります。
それは『毎日のルーティンワークの基本となるものを作り、それを利用者さんの真ん中に据える事』
これが社会の中で暮らしていける大きな役割を作っているとミナオスでは考えているからです。
多分、これを見ておられる方の中には批判的な方もおられると思いますが、利用者さんは一歩一歩前に向かって歩幅は短いながらも進んでおられます。
私どもはそういった利用者さんたちの支援を精いっぱい頑張っていきたいと思っております。